一期一会05

お笑い芸人・絵本作家 西野亮廣さん


お笑い芸人・絵本作家の西野亮廣さんの言葉。

「”作り方”の再定義が必要なんです。10年前は完成度の高いものを作れば良かった。
でも、今はお客さんの手に届くところまでデザインしないといけないんです」

「国民総クリエイター時代。全員クリエイター、全員オーディエンス。”クオリティ”の再定義が必要で、
お客さんが参加できる余白を作るところまでデザインしてあるものを”クオリティが高い”というんです」

この背景には、4年かけて作り上げた絵本が思うように売れなかったということが2作続き、
自身で「なんでだ!」と問い続けたということがある。
どんなに良い作品を作っても、お客さんが手に取らないとカウントされないんだ。
そのためには、お客さんに届くところまでデザインしないいけないんだ、ということに気づいたということだった。

では、西野さんは「お客さんに届くところまでデザインする」をどう捉えたか。
絵本を「作品」ではなく「お土産」と捉えた。
お客さんは作品にはお金を出さないけど、お土産にはお金を出す。
その時の思い出を思い出し、誰かに伝えるためのコミュニケーションツールとして「お土産」が必要なのだ。
絵本をお土産化しよう!

「ということは、お土産の前にお客さんの体験をデザインする必要がある」と、
最新作の「えんとつ町のプペル」の原画展を開催できるようにした。
お客さんは「原画展を訪れた思い出」のしるしとして絵本を買ってくれるだろうと。
開催するのは誰か。お客さんである。 誰でも開催していい。原画を貸し出すフィーは取らない。
原画が破損しても問わない。 その代わり、原画展の出口で本を売らせてね、ということにした。
西野さんが原画展を企画しなくても、 お客さんが全国各地、タイやベトナムでも、
たくさんのお客さんの手で原画展が開催されている。
西野さんは、その開催告知をシェアして応援したり、手弁当でサイン会を行ったりしている。
他にも色々あるのだが、その全体の設計図が本当に本当にすごい!!!!

参加者が増えればその分買い手も増える。お客さんをいかに巻き込んで共犯者にするか。
これからは、そこまで設計して初めてクオリティというのだと。

話を聞いていて、頭をガツンガツンと殴られ続けている感じがした。

WAOJE Global Venture Forum 2017 in Bangkokにて

書き手 橘 紀子

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