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対話型アート鑑賞ワークショップ : 三期目 1回目

Lee Hyelim/時の残像 ( https://lights-gallery.com/archive/2024/06/1744/ ) の展示空間にて、3期目となる参加者の皆さまと、対話型鑑賞ワークショップを開催しました。

今年度のワークショップでは、3期目の皆さまとは「対話の場を意識する」をテーマに開催します。作品の選定を参加者1名に行っていただき、対話型鑑賞後に、作品を選んだポイントや対話してみた感想を振り返ります。

今回選ばれた作品は、4つ脚の台の上に層のようにさまざまな色が重なりつくられた作品でした。

まず最初に作品を見て考えたことを伺うと、台の高さの話が出てきました。少し高めに設定された台は、屈んで覗くと作品の裏の様子までよく見えます。作品のおもて面は白いのに、裏面からはいろんな色が見えることに気づき、そこから、作品の側面をぐるぐるとまわり層の様子を眺めていきます。すると、色が重なっているだけではなくて混ざり合っている、素材は和紙のような印象を受けたけれど様々な素材が使われている、凸凹のある白い層の表面から下の色が少し透けている……といったように、観察から沢山の発見がされてゆきました。

後半になると、発見の連続から、「環境汚染へのメッセージのようにも見える。残る素材と残らずいつか消える素材がありそう」などと、作品の意味合いを想像し、解釈していく方向へと発展していきました。

その後も観察と対話は続き、最後には層の断面に所々小さな文字があることを発見しました。「人が作った何かが剃り込まれ、層になっていることに意味を感じる」といった意見が出たところで時間になりました。

最後に作品の選定者に選んだポイントをお伺いしました。作品の表と裏の色のギャップに様々な発見がありそうで選定した、とのことで、実際に、今回の対話は作品の裏側から話が発展してゆきました。そこから観察が進んだことで、更なる思いもよらない発見が沢山あり、参加者同士、新しい話の展開を楽しみながら対話することができました。

作品の選定を自ら行うこと、また、他の参加者が選定した作品をみることで、今まで以上に、他者との対話を意識することができていたように思います。ただし、それによって予定調和な対話になることはありません。相手の反応を想像しながら言葉を交わすことで、予想だにしなかった相手の言葉に、さらに新鮮に、前向きに耳を傾けることができるのです。残りの2回も、「他者との対話の場」自体を意識しながら過ごせる会をご用意してゆきたいと思います。

今回もご参加いただき誠にありがとうございました。

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