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対話型アート鑑賞ワークショップ 一期目:第3回

ICHIGO | 植物の肖像展 ( https://lights-gallery.com/archive/2023/11/1683/ )の展示 空間にて、企業様向け対話型鑑賞ワークショップを開催しました。

本コースにご参加のみなさまとは、計 3 回の鑑賞を通して、「対話を通して自身の思考と向 き合う」ことを目指します。3 回目の今回は集大成として「自身の思考回路を意識し鑑賞す る」ことに取り組みました。

最初に展示全体を鑑賞する時間を過ごしてから、これまでの振り返りを行いました。1 回目 と 2 回目終了時にご記入いただいたワークシートをもとに、これまでの鑑賞体験を通して、 ご自身の思考と向き合い発見したことを思い返していただきました。ファシリテーターか らは、みなさまの意見を集約し、これまで実際に対話の中で出てきた作品鑑賞時の視点や、 他者の意見へのリアクションを総括してお伝えしました。いろいろな視点を頭の中に浮か べながら俯瞰的に自身の思考を分析することと、目の前の作品に集中して鑑賞することを、 行き来できると、自身の思考を深めながら、効果的に対話型鑑賞に取り組むことができま す。そのようなお話をふまえて、今年最後の鑑賞にチャレンジいただきました。

今回の作品は、初めての写真作品に挑戦しました。具象的なイメージと対峙すると、特定の 見方にこだわってしまったり、思考が狭まってしまったりすることもあるのですが、すでに 2 回のワークショップを経験された皆さまからは、今回が一番、多角的な視点の意見をいた だくことができました。 例えば、作品の構図に言及したコメントや、作品の特徴を捉えて作者の意図を考察するも の、そして作品に感じる違和感に気づきその理由を考えたご意見など、鑑賞の序盤から伺う ことができました。これまではまず作品の色や形から物語を想像するようなお話が出てく ることが多かったのですが、想像ではなく観察から、話が広がってゆくのが印象的でした。 今回の作品がそういった思考を促すものであったことも理由の一つですが、それ以上に、回 を重ねるごとに皆さまに視点のバリエーションが増えて、おおらかな気持ちで作品と向き 合うことができたからではないかと思います。 鑑賞の最後に一言ずつコメントをお願いすると、「先ほど作品をみて“悲しい”と感じたのは、 作品のこの部分が理由かもしれない」「自分のこれまでの意見を振り返ると、自分は思って いたより理系的な考え方をする人間なのかもしれない」など、まさにご自身の思考と向き合 ったご意見を伺うことができました。

計 3 回のワークショップが、皆さまにとって実りある時間となっていましたら幸いです。 ご参加誠にありがとうございました。

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