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[Report] 美しいこと

8月が終わり、9月の始まり。秋雨とは言えない、蒸し暑い雨の日。

8月は初めて訪れた場所、初めてお会いした人、新発見や新感覚をたくさん体験できて、「あの日、あの時」の思いや考えを思い出せるエピソードがたくさんできた。この感覚を大切に醸成して、言葉や形にしていきたいな、と思う9月。

今月の課題図書は、赤木明登さんの『美しいこと』(新潮社)と『二十一世紀民藝』(美術出版社)。

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だから、これだけは言うことができる。ひとつの物語が生まれる場所に、ひとつ「美しい」があるんじゃないかと。何かと何かが出合って、振動が生まれ、さざ波となり、新しい物語が始まる。その生成の現場に「美しい」はいつも立ち会っている。喜びであれ、悲しみであれ、もっとささやかなものであれ、人の心をふるわせる物語とともに「美しい」は生まれ、現れて、形になったものはまた何かと出会い、別の物語を生み出していく。

(『美しいこと』赤木明登著 まえがきより抜粋)
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書き手 橘紀子

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